JAズームイン
JAえひめ中央
2020年11月23日(vol.944)
伊予柑園地の若返りに力 直営施設で地域の食PR
1999年4月に12JAが合併して誕生したJAえひめ中央は、愛媛県の中央に位置し、島嶼(とうしょ)部、沿岸部、都市部、中山間・山間部と環境もさまざまな県下一番の広域JAです。瀬戸内の温暖な気候から、1年を通して柑橘(かんきつ)栽培が盛んな地域でもあります。
伊予柑の産地維持と農業者の所得増大へ
伊予柑生産量全国一を誇る同JAは、産地維持を図ろうと伊予柑苗木の無料配布を行っています。2018年3月から21年3月までに8万本を配布する計画で、JA営農部の職員や新規就農研修生らが丹精込めて育てた苗を管内全域の希望者に届けています。
この取り組みで、管内生産面積の10%ほどの若返りが可能となる計画です。品質の高さと価格帯、長期販売が可能な点から、市場から人気が高い伊予柑。柑橘経営の柱となる品種のため、園地の若返りにより収量の確保と農家の手取り向上につなげています。
地域活性化と食農教育への貢献
安全・安心かつおいしく新鮮な管内農産物提供の場として19年4月に、複合施設「みなとまち まってる」をオープンしました。施設内1階にはJA直営の「えひめ中央おひさま食堂」や「えひめ中央ひなたCAFE」があり、管内の特色を生かしながら季節ごとに多彩な料理やスイーツを提供しています。
同JAは、そのほかにも「新規就農者確保に向けた研修プログラムの実施」や「JAキッチンスタジオを活用し食を通じたJAファンの獲得」「女性大学開校による新たなJA利用層の拡大」など、多方面から農業振興に向けて取り組んでいます。今後も生産者ならびに消費者の声に真摯(しんし)に向き合い、JAとしての役割を果たします。
JAえひめ中央(愛媛県)
概要 | 令和2年3月31日現在 |
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正組合員数 | 1万5230人 |
准組合員数 | 2万4737人 |
職員数 | 1195人 |
販売品取扱高 | 125億円 |
購買品取扱高 | 82億円 |
貯金残高 | 2823億円 |
長期共済保有高 | 6398億円 |
主な農産物 | 柑橘(伊予柑、紅まどんな、せとか、温州みかんなど)、落葉果樹(キウイフルーツ、ブドウ、栗、ビワなど)、ナス、キュウリ、ピーマン、タマネギ、菌床シイタケ、イチゴ、花き花木(ユリ、ユーカリ、若松、シキミなど) |