リンゴの担い手 継続的に育成・支援 6次産業化で生産者の所得増大目指す
JAうおづは、富山県東部に位置する魚津市一円を管内とします。魚津は、全国に誇る景観「蜃気楼(しんきろう)」の名所として知られています。農業は水稲を中心にダイコン、ハクサイ、リンゴなど、昔から野菜や果樹の栽培が盛んな地域です。
その中でも「加積(かづみ)りんご」は県内最大の産地です。加積りんごの栽培は1905(明治38)年に始まり、今日に至るまで110年以上の歴史があります。現在、栽培農家は44戸で栽培面積は約27ha、「ふじ」「秋映」「陽光」「シナノゴールド」を主力品種に20種類以上のリンゴを栽培しています。
開花から収穫までが長く樹上完熟で自慢の味に
全国のリンゴ産地としては比較的南部に位置しているため、開花から収穫までの期間が長く、樹上で完熟してから収穫できるため「甘くておいしいりんご」ができます。
しかし、近年は加積りんご組合でも生産者の後継者不足に悩まされていました。このような中、同JAは加積りんご組合、JAうおづ青壮年部加積支部と協力し、栽培技術研修会や担い手の育成に取り組んできました。リンゴ栽培の基礎となるせん定、摘果、防除の研修会では、基礎知識を学ぶことはもちろん、農家同士や世代間の交流を深めることにも貢献しました。
また、黒星病の対策として接ぎ木や苗木の自家生産の方法などについて、会員同士が日常的に意見交換を行っています。
酒造会社とコラボ 加工品で付加価値
その結果、次世代のリンゴ農家も増えており、今後も継続的な担い手の育成に取り組むことが重要な課題となっています。
また、JAうおづは6次産業化による農家所得の増大に取り組んでいます。加積りんご組合で販売している加積りんごジュース「ふじだけ」や昨年9月に宝酒造株式会社とのコラボ商品「富山加積りんごクラフトチューハイ」など、加工品にすることにより付加価値を付け、消費者へ加積りんごをPRしました。
概要 | 令和元年12月31日現在 |
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正組合員数 | 2589人 |
准組合員数 | 4567人 |
職員数 | 104人 |
販売品取扱高 | 15億6千万円 |
購買品取扱高 | 14億9千万円 |
貯金残高 | 648億2千万円 |
長期共済保有高 | 1599億2千万円 |
主な農産物 | 米、大麦、大豆、リンゴ、梨、ブドウ、桃、ダイコン、ハクサイ、ネギ |