海外での農業の視点で新たな担い手支援へ
TAC活動優秀JA・TACがオランダ、ドイツ、イギリスで研修
「TAC活動優秀JA・TAC海外研修」が2月24日~3月3日に行われ、オランダ、ドイツ、イギリスの3カ国を訪問し、最新の施設園芸やグローバルGAP認証取得の取り組み、農薬の開発や欧州への日本産農畜産物の輸出、販売状況などを視察しました。
全農は、TACパワーアップ大会受賞者(JA表彰、JA特別表彰=事業承継部門、TAC表彰、トップランナーズJA表彰)を対象とした海外研修を開催しており、今年度は15のJAや県域TAC担当部署から16人が参加しました。
1カ国目のオランダでは、「アグリポートA7 バーレンセ農場」と「Koolen Champignons」を訪れ、最新の施設園芸によるパプリカの大規模な栽培やグローバルGAP認証取得の取り組みを視察しました。翌日早朝には、「アールスメア花市場」を訪れ、世界中からバイヤーが参加しているせりの現場と適格かつ迅速な荷さばきによって効率的な運営を行う市場を視察しました。
2カ国目のドイツでは、「バイエル本社(モンハイム)」を訪れ、農薬の開発や農薬の種子処理施設を視察しました。農薬の開発に係るコストや時間と、厳しい安全性評価による農薬の高い安全性維持の取り組みや、新技術である農薬の種子処理技術の正しい技術普及における課題を認識しました。
3カ国目のイギリスでは、JAグループの米を欧州で販売しているT.K.Tradingが経営している小売店を視察し、欧州における米の販売状況や課題について認識しました。また、全農直営の本格和食レストラン「TOKIMEITE」を視察し、和牛をメインに開発した数々のモダンジャパニーズフードを味わい、欧州における和食文化と日本農畜産物輸出拡大に向けたヒントを学びました。
参加したTACから「大規模な設備投資を行っている施設園芸の生産者が補助金ありきではなく自己資金で設備投資を行い、リスクを負ってでも夢の実現のために覚悟を決めて突き進んでいく姿勢に驚いた」「一つの農薬を開発するために莫大なコストと時間がかかるが、同時に高い安全性を確認していることが分かった」「欧州への輸出にも今後ぜひチャレンジしていきたい」との声があがり、充実した研修となりました。この研修で得た知識や経験は、訪問活動を通じて担い手支援につなげていきます。