JAズームイン
滋賀県
JAこうか
2020年10月12日(vol.939)
稲作農家の所得増大へ大きな一手 令和元年産米から全量買取販売に
JAこうかは滋賀県の南東部に位置し、甲賀市、湖南市の2市を活動区域としています。
夢のある地域農業づくり「農家所得増大の見える化」
同JAの長期構想の三つのビジョンの一つである「夢のある地域農業づくり」で、主力農産物の米は、マーケットの需要に応じた契約栽培など選択制のある米づくりが定着してきた中で、「迅速で分かりやすい販売代金の精算」と「所得の安定化」に向けて、令和元年産から全量買取方式に移行しました。県内16JAの中では2番目の取り組みとなります。
それまでの「委託販売方式」では、生産者にとって、米の出荷から最終精算まで約18カ月かかり、販売代金の精算においても複数回要し分かりづらいとのことから、改善要望がありました。それに加えて、平成30年からは、国による生産数量目標が廃止され、全国的に水稲面積が増加傾向となることで需給バランスが崩れ、過剰生産を誘発し、産地間・生産者間の価格競争となることで米価の下落につながるリスクが顕著化してきました。
買取販売で事務量軽減 経済事業の収支改善も
このことから、買取販売に移行することで、多様な販売先と結び付きを強化しつつ、生産者と消費者の双方を囲い込みにつなげ、安定した出荷・販売と、生産者が安心して生産・経営に取り組める環境づくりができることに大きな意義があります。
全量買取販売の導入によるJA側のメリットとしては、「経費削減などによる経済事業の収支改善」「集荷数量の安定と拡大」「1回精算のため事務量が軽減」「軽減税率への対応が容易になり事務量が軽減」などが挙げられます。
JAこうか(滋賀県)
概要 | 令和2年3月31日現在 |
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正組合員数 | 5993人 |
准組合員数 | 1万1291人 |
職員数 | 346人 |
販売品取扱高 | 32億5千万円 |
購買品取扱高 | 13億7千万円 |
貯金残高 | 1814億1千万円 |
長期共済保有高 | 4917億4千万円 |
主な農産物 | 米、茶、麦、大豆、タマネギ、キャベツ、カボチャ、白ネギ、ハクサイ、ニンジン |