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営業開発部

全農の戸井COと営業開発部の若手職員が座談会

JAグループの「強み」を生かした商品開発へ

 

全農の商品開発について語り合う戸井チーフオフィサー(右から2人目)と営業開発部若手職員
 
『家の光』10月号

 一般社団法人 家の光協会の月刊誌『家の光』10月号(9月1日発行)にて、「JAグループの強みを生かした『全農の商品開発』」をテーマに戸井和久チーフオフィサー(CO)と営業開発部の若手職員が座談会形式で、全農の商品開発について語りました。今回、『家の光』10月号では紹介しきれなかった取り組みを紹介します。

With/Afterコロナ時代に全農が目指す姿とは
戸井和久チーフオフィサー

戸井和久CO 新型コロナウイルス禍は、2011年の東日本大震災とは違い、商品の需要の想定が難しくなりました。巣ごもり消費のなかでは、量販店のバイヤーに聞くだけでなく、消費者により近くならなければ消費者が必要とする商品の開発ができない状況になったということです。今回の一番のポイントはEコマースで、自宅へ直接商品を供給する流れが注目されました。現在のECマーケットにおける食品のEコマース率は非常に低いですが、今後は宅配ビジネスを含め食品のウエートが上がることが想定されます。そうなると産地から消費地までの基幹物流も含めた物流も戦術戦略として考える必要があり、ここにも商品開発の突破口があるように思います。

 また、小売りがEコマースに、外食がデリバリーに参入するなど業態間のボーダレス化が進みました。画一的な商品づくりよりも、エリアや実需者を限定するものづくりを進める必要があると感じます。この先もインバウンドの低下、また海外との食料争奪戦と新たな課題が出てくると思います。全農は、「食のトップブランド」としての地位確立を目指すため、さまざまなプロジェクトを立ち上げてきました。今後も農家を大事にし、なおかつ再生産価格を維持してくれるような企業と組むことを目指し、生産振興と農家所得の増大、それと、実需者とのコミュニケーションによるJAの商品ブランドの定着を目指しています。

他企業とのコラボ商品を続々と発売
営業開発部の山田さん

山田晋也さん 他企業とのコラボレーション商品として、2018年からファミリーマートと国産果実を使用したドライフルーツを継続して発売しています。国産の原料は量が限られているため、通年商品ではなく、旬の時期にファミリーマート限定商品を発売しています。また、ファミリーマート限定で、UHA味覚糖とのダブルブランドで「コロロ」というグミを期間・数量限定で販売しています。ファミリーマート側から「メロン」などの品目ではなく、品種やブランド名までこだわった商品が欲しいとの要望があり、1万6000店ある店舗に対応する原料をどう調達するかが難しい点でした。特別な果物となると取れる数量も限られる中、いかにJAと協力しながらマッチングさせるかが大変でもあり、やりがいでもあります。この「コロロ」は第2弾の「鶴姫レッド」、第3弾の「ハニーローザ」に続き、今後もどんどん企画していきます。

 
「ニッポンエール」ブランドの役割

 全農では2020年1月に全農のブランドとして「ニッポンエール」を商標登録し、現在はセミドライタイプのドライフルーツなどを販売しています。ドライフルーツは水分を飛ばすため、一定量の原料確保が必要です。また店舗における面の陳列には複数の種類が求められます。今は柑橘(かんきつ)類が中心ですが、今後キウイやイチゴなどバリエーションを増やすため、産地とも相談しながら原料の確保に日々奮闘しています。

 また、100円ショップのダイソーでも菓子類を中心に販売しています。「日向夏」は東日本では果物の流通が少なく、あまりなじみのない果物なので、ラインアップに加える時どうだろうと思いながらキャンディーやグミとして販売したところ、ダントツで売れています。お菓子の原料として「日向夏」の知名度が上がっていくことは、生産者の方からうれしいとの声もあり、今後もお菓子に限らずいろいろな商品開発に着手していきたいと考えています。

「ニッポンエール」シリーズのドライフルーツ
営業開発部の奥野さん(右)と加藤さん

 
原料用ブロッコリーの生産振興

加藤智揚さん 現在、セブンイレブンジャパンともコラボ商品として、国産ブロッコリーを使用したサラダやサンドイッチを販売しています。

 ブロッコリーは品質管理が難しい作物のため、総菜や外食では冷凍品や輸入品が多い状況です。

 コンビニエンスストアという新たな販路に向けて、サラダ原料用への国産ブロッコリーの供給に取り組みましたが、加工に適した規格での安定供給や、生産や加工における作業の効率化が課題でした。

 そこで、花蕾(からい)の大きいブロッコリーを安定的に出荷するため、試験栽培により大玉でかつ花が咲きづらい品種を選定しました。このことで収穫時の手間の削減と収量増につながり、加工面での作業効率も上がりました。生産側、加工・販売側のニーズをマッチさせることができました。

 また、お菓子などは目にする機会が増えていますが、生鮮の原料を使用した商品を全国各地にあるセブンイレブンと商品をつくることで、実際に出来上がった商品を自分で見て、食べられるということは、生産者の皆さんに喜んでいただけているのではないかと思っています。  

 ただ、安定的に原料を確保するには、各県、JAの皆さん、そして園芸担当の方だけではなく、TACや農薬担当者、種苗会社など、各ジャンルの専門家と一緒に取り組んでいく必要があります。これからも毎年勉強しながら、生産振興につながる商品を作っていきます。

メンバーとの情報共有と課題解決に実践していること

奥野達弘さん クラウド上で、お互いの情報を交換できる仕組みを部内で作っています。これまで報告書は、紙で共有していましたが、必要なときにすぐに見つけられなかったりしました。関連づいていなかったことを、システムを活用しながらお互いに発見し共有することで、新しいアイデアの創出につながります。

 フリーアドレスのオフィスでは、隣に座る人が毎日違うので、そこでの簡単な情報交換から拾える情報というのがすごくあります。また、ペーパーレス化は自然に進みましたね。お互いの顔がしっかり見えるところでコミュニケーションはすごくとりやすいです。

営業開発部のメンバー

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