適地適作生かした指導で業務用露地キュウリ拡大
JA中野市は長野県の北部に位置し、果樹栽培が盛んな地域です。また、全国有数のきのこ産地で、全国生産量の4割を占めるエノキタケをはじめ、ブナシメジ、エリンギ、ナメコなどを含め、販売高の約75%(約200億円)を占めます。
野菜栽培としては小規模産地ですが、その中でも販売高トップの品目はキュウリで、適地適作を生かした指導により栽培者を増やしています(令和元年度きゅうり部会員50人、面積約3ha、販売高1億円)。
県本部の指導を受け 無選別出荷スタート
キュウリ栽培は、水管理、整枝、剪定(せんてい)、防除のタイミング、病害虫防除の知識といった多様な技術や、収穫の手間など膨大なハードルをクリアしなくてはなりません。そこで、昨年から長野県本部指導の下、手間をかけないキュウリ作り・出荷の取り組みとして、無選別出荷(出荷規格長さ18~24・5㎝、曲がり~3㎝、太さ~3・5㎝、1本重量90~140g、10㎏コンテナ入れ)の取り組みを始めました。
また、きのこ生産者の夏場減産期における雇用継続(外国人研修生など)・確保のためにもこの取り組みを進めています。
荷造り・調製作業簡素化で 栽培者、生産量の拡大へ
業務用のキュウリは、①基本的には需要で決まる単価を大きく引き上げることは販売環境によって困難、②収量性の改善・栽培規模の拡大は技術革新と省力化によって可能、③省力化や規格簡素化など、収穫調製労力の軽減などを主体に改善することが必要、④長野県は耕作面積が小さいため、土地生産性を重視する傾向が強く、労働生産性に関しては着目してこなかった。他業種と比較する上でも、労働生産性をいかに上げるかが重要、⑤コスト面も単位面積当たりではなく、単位収穫量当たりの考え方が必要——ということを踏まえ、今後、きのこ農家だけでなく、これから新規にキュウリ栽培を考えている方にも、荷造り・調製作業の簡素化を図ることで、さらなる栽培者および生産量の拡大を進めます。
概要 | 令和2年2月29日 |
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正組合員数 | 4117人 |
准組合員数 | 3807人 |
職員数 | 322人 |
販売品取扱高 | 268億9千万円 |
購買品取扱高 | 63億9千万円 |
貯金残高 | 817億6千万円 |
長期共済保有高 | 3008億2千万円 |
主な農産物 | きのこ、果樹(ブドウ)、野菜(キュウリ)、花(シャクヤク) |