中四国初の和牛GI登録「比婆牛(ひばぎゅう)」振興 新規就農者の支援体制も幅広く
JA庄原は畜産振興の一つとして、ブランド牛「比婆牛」の生産・販売の強化を進めています。平成26年7月に、庄原市や庄原和牛改良組合、全農広島県本部などの関係機関と「比婆牛」の復活を目指して、「あづま蔓(づる)振興会」を設立し、安定した生産、販売を推進するための協定を締結しました。
認証制度を積極活用 販売拡大の力に
振興会は、比婆牛の新たな認証制度①同市産の牛で3代祖のいずれかに「第38の1岩田」を起源に持つ県種雄牛の血統を有する②同市内で産まれ、県内最長期間肥育——などの条件を設定し、積極的に広報と販売活動を行っています。平成28年6月には、県産和牛として、初めて特許庁の地域団体商標制度に登録。令和元年9月には、和牛肉では中国四国地域で初となる農水省の地理的表示(GI)保護制度に登録されました。
JAは、産地形成の肥育モデル経営として、肥育センターを所有。2施設で約150頭の比婆牛を飼養し、繁殖農家の経営支援にもつなげています。
今後は、GIマークを明記したシールやのぼり旗、ポスターなどの活用と、比婆牛の枝肉共励会を開催し、消費者への浸透を図り、販売の拡大を進めます。
新規就農支援事業に加え実践型研修農場を開所
JAは新規就農者支援として、全農などと連携し新規就農者育成に向けた研修を行い、農業にチャレンジする人を支えています。農家での実践研修と肥料・農薬の知識や販売戦略を学ぶ座学研修で、経営ノウハウを提供しています。平成25年から10人が受講。研修後は管内でトマト、菊、ホウレンソウなどの園芸品目で就農しています。
また、高齢化や人口減少が進む中、農業者の確保・育成に向け、全農とともに府中市上下(じょうげ)町に今年4月、就農希望者が実践形式で農業経営が学べる研修農場「チャレンジファーム広島・上下農場」の開所を予定しています。
ハウス8棟、3081平方㍍で、県域重点品目のアスパラガスを中心に、研修生が自ら立てた計画に沿って経営を手掛けます。研修は2年間。1年目はJA西日本営農技術センターで栽培技術や農機操作、出荷・選別を学びます。2年目に同農場で、模擬経営を通じて経験を積むことで独立後早期の経営の安定化につなげます。
JAは、栽培技術や情報提供などで研修生を支援。独立後も市と協力して経営の早期安定を支えます。
概要 | 平成31年3月31日現在 |
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正組合員数 | 1万3082人 |
准組合員数 | 5233人 |
職員数 | 383人 |
販売品取扱高 | 46億9千万円 |
購買品取扱高 | 33億5千万円 |
貯金残高 | 1250億2千万円 |
長期共済保有高 | 3916億1千万円 |
主な農産物 | 米、和牛、菊、ホウレンソウ、トマト、ダイコン、青ネギ、アスパラガス、広島菜 |