元気で人と緑にやさしい 呉羽(くれは)梨ブランド再構築
JAなのはなは、水稲・大豆を中心に園芸・果樹作物の生産振興を図っています。
梨の産地として「呉羽梨」のブランドを確立しており、栽培面積は135㌶、栽培農家は275戸で栽培品種は「幸水」が約7割を占め、残りは「豊水」「あきづき」「新高」「新興」です。
梨の産地としての歴史は古く、明治40年に初めて梨栽培が始まり、平成2年には栽培面積230㌶、出荷量5067㌧に達しました。
しかしその後は、老齢樹の増加に伴う生産力の低下や産地間競争の激化による市場単価の低迷、生産者の高齢化による後継者不足に悩まされました。さらに平成27年には日本梨の最重要病害である「ナシ黒星病」が大発生し、その対応による防除回数の増加・落葉処理などの作業量増大で負担が増え、栽培面積・生産戸数の減少が加速し、産地が衰退する状況が続きました。また、選果場は生産者が中心となって運営しているため、生産者の出役などの負担額も課題でした。
生産者全員がエコファーマー
そうした中、JAなのはなでは呉羽梨産地を再構築するため生産者、行政を交え産地活性化委員会を設置し、生産対策、販売流通対策に取り組みました。いち早く環境に配慮した梨栽培を導入するため、生産者全員が「エコファーマー」を取得した他、新品種「あきづき」導入による品種構成の見直し、改植・ジョイント栽培導入など老齢低生産園の計画的な若返りなどを図りました。管内に2カ所あった選果場を1カ所に再編し、外観・内部品質センサー、糖度センサー、製品箱詰めロボットを導入しました。
若手世代の就農や新規就農者も増加
その結果、市場や消費者が求める外観・品質、食味の良い呉羽梨の提供と生産者の負担、選果コストの低減に対応することが可能となりました。これらの取り組みにより、近年では農家の若手世代の就農や地区外からの新規就農者が増加し、産地活性化に寄与しています。
また、大手コンビニチェーンローソン(中部地区限定)では、カットした呉羽梨をカップで販売するなど、より手軽に消費者に提供できるよう取り組んでいます。
概要 | 令和元年10月31日現在 |
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正組合員数 | 5418人 |
准組合員数 | 5564人 |
職員数 | 247人 |
販売品取扱高 | 25億890万円 |
購買品取扱高 | 33億5682万円 |
貯金残高 | 1200億5237万円 |
長期共済保有高 | 2468億3907万円 |
主な農産物 | 米、麦、大豆、梨 |