省力化と産地拡大目指し「ねぎ選果施設」が稼働
JAなすのは栃木県の北端に位置し、64万俵の米の集荷、「とちぎ和牛」の盛んな生産、園芸における多品目の独自ブランド化が特徴です。
ネギの調製・選別・箱詰め作業を一手に引き受け
JAなすの管内では2019年8月5日、生産者の出荷調製作業の軽減と持続可能なネギ産地の確立を目指すための「ねぎ選果施設」が竣工(しゅんこう)しました。同JAのねぎ部会は県内で生産量・作付面積・部会員数ともに最大規模を誇り、「那須の白美人ねぎ」は県内有数のブランド品となっています。
当施設は日量5.25㌧(露地ネギ1050ケース)の処理が可能で、皮むき機や選別機、フィルム詰め機を備えます。初年度は、管内で生産する2200㌧のうち500㌧の出荷を見込みます(取り扱いは露地ネギのみ)。生産者は収穫後、畑で土を落としそのまま搬入できるため、個人での調製・選別・箱詰め作業を必要とせず、省力化や規模拡大への貢献が見込まれます。
栃木県オリジナル酒造好適米 「夢ささら」栽培確立へ奮闘
同JAの酒造好適米研究会では栃木県オリジナル酒造好適米「夢ささら」の作付けが行われています。「夢ささら」は、代表的な酒造好適米「山田錦」並みの醸造適性を備える品種となるよう、2005年から県の農業試験場で開発が進められました。
主な特徴として倒伏しにくい、「イネ縞葉枯病(しまはがれびょう)」への抵抗性が高い、「心白(しんぱく)」発現率が高く削る際に砕けにくいため大吟醸に向いているといった点があります。
2年目となる今作では、8戸の生産者で合計15・7㌶の作付けが行われました。栽培講習会や現地検討会を行い、より品質の高い酒造好適米の生産を目指し、日々研究を重ねています。
同研究会の滝田稔会長は「天候に左右されやすく栽培方法が確立していない部分もあるが、 切磋琢磨(せっさたくま)して技術の確立を目指す。難しい品種であるがゆえにやりがいを持って挑戦していく」と意気込みます。
概要 | 平成31年2月末現在 |
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正組合員数 | 1万2939人 |
准組合員数 | 8412人 |
職員数 | 522人 |
販売品取扱高 | 207億5千万円 |
購買品取扱高 | 70億6千万円 |
貯金残高 | 1697億1千万円 |
長期共済保有高 | 5917億9千万円 |
主な農畜産物 | 米、イチゴ、アスパラガス、ネギ、ウド、黒毛和牛など |