5年後、10年後を見据え その先にレールをつなぎ、力強く走り続ける
7月26日に開催された経営管理委員会において、代表理事理事長に選任された山﨑周二です。就任に当たりご挨拶と所信を述べさせていただきます。
全農は平成28年度から始まった中期3か年計画で、①持続可能な農業生産、農業経営づくりへの貢献、②海外事業の積極展開、③元気な地域社会づくりへの貢献、の3つの重点方針を掲げました。
また平成29年3月には「農林水産業・地域の活力創造プランに係る本会の対応」を組織決定し、全部門、全役職員一丸となって自己改革に取り組んでまいりました。
これまでの取り組みとその成果については、一定の評価をいただいていると認識しておりますが、自己改革に終わりはなく、今後もさらに進化・深化させる取り組みを進めます。
このたびの通常総代会においてこれらの結果についてご報告を行い、併せて平成30年度経営概況として取扱高4兆5925億円、計画比100%、経常利益、当期剰余金ともに計画を上回り、出資配当は計画通り2%を実施することで、ご承認いただきました。
本年度は新たな中期3か年計画を3月の臨時総代会で決定し、その初年度となります。中期3か年計画においては、「すべては組合員のために、そして消費者、国民のために」という基本姿勢のもと、引き続き自己改革の取り組みを加速していくとともに、急速に変化する生産・流通・消費構造や海外情勢に対応するため、5年後、10年後を見据えた取り組みを展開します。
中期3か年計画のキャッチフレーズは、「全力結集で挑戦し、未来を創(つく)る」です。このキャッチフレーズには、将来を見据えて全国で結集し、かつ全力で自己改革を完遂するとともに、新たな事業領域に果敢に挑戦して未来を創っていく、という決意を込めています。
5年後、10年後を見据えて本会の目指す方向は以下の柱とし、これに基づき関連施策を具体化します。
第一に、国内の農業総産出額の計画的・段階的な拡大に向けて、作物別・品目別に戦略を策定し取り組みます。
第二に、生産拡大する作物別・品目別の販売戦略もしっかり構築します。
第三に、元気な地域社会づくりに取り組みます。
第四に、海外動向の急変に対応した新たな海外戦略を構築します。
これらの取り組みを実現するためには、これまでのJAグループ内の機能分担を見直し、JAグループ全体で事業運営コストを抑制する必要があります。そのため、本会の経営資源の最適配置も含め、JAと十分協議して進めます。
また、子会社も含めた全農グループの総合力発揮とグループ経営の確立により、JAグループ・本会の事業を拡大し、会員への還元を最大化します。
特に「農業総産出額の拡大」に向けた重点施策として、「生産性を向上させる新技術」と「不足する農業労働力の支援」、「ICTの活用」などを掲げています。こうした取り組みにより農業における事業承継や新規就農をバックアップし、持続可能な農業の実現を通じて、食料自給率の向上と地域創生に貢献していきます。
さらに、労働力支援を核に、農泊や農福連携にも、本会として主体的にかつ積極的に取り組み、地域の活性化を支援します。
全農は前3か年において、改革に向けレールを敷き、さまざまな取り組みを行ってまいりました。今3か年では、その先にしっかりとレールをつなぎ、全農グループ役職員一丸となって、力強く走り続けます。
今後とも引き続き全農グループの事業運営につきまして、ご理解とご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。