「里むすめ」ブランドで差別化 世界へ 量より質で販路拡大
JA里浦は四国の玄関口、鳴門の渦潮で有名な鳴門海峡に面し、一級河川・吉野川(四国三郎)の流れで堆積した砂により形成された海抜ゼロ㍍の海浜圃場(ほじょう)(330㌶)では砂地の特長を生かしたカンショ・ダイコンの栽培が盛んです。管内はカンショのトップブランド「なると金時里むすめ」の産地となっています。
栽培品目はたった二つ 適地適作を実践
里浦の砂地で栽培されるのは、カンショ・ダイコンの2品目です。特殊な砂地に適応した2品目の連作体系を確立、こだわりの栽培を実践し、京阪神市場・京浜市場を中心に、全国でその品質を高く評価されています。
「高系14号」を独自に系統選抜して栽培してきたカンショは、特殊な砂地栽培という栽培環境に加えて市場評価も高く、品質や味に対して自信を持っていた生産者の声も背景に、平成10年にブランド名「里むすめ」を商標登録し、本格的使用に踏み切りました。
平成19年にはJA里浦「里むすめ」里浦生産者部会を設立、同部会員が栽培し、かつJAへ出荷した「なると金時」であること、長年培ってきた栽培管理体系を取り入れて出荷されたものであることを条件に「里むすめ」という商標を使用できることとし、他産地との差別化を図りました。
また、「里むすめ」のブランド名は、JA里浦のダイコンにも使用し、産地商品として「里むすめ」ブランドを展開しています。
生産者が責任をもった販路選択制
各生産者は販売価格が異なる個選個販と一定の選別基準を設けた個選共販の2種類の販売方法を自由に選択でき、「里むすめ」という一つの土俵で組合員同士が競い合う体制を確立、組合員のモチベーションの維持向上につなげています。安定した収益が確保できるため、若い後継者も多い産地です。
JA里浦では、「量より質」をモットーに、魅力あふれる産地づくりに邁進し、海外も含めた販路の拡大を図り、「世界の里むすめ」を生産者とともに目指しています。
概要 | 平成30年3月末現在 |
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正組合員数 | 275人 |
准組合員数 | 372人 |
職員数 | 24人 |
販売品取扱高 | 33億円 |
購買品取扱高 | 7億4千万円 |
貯金残高 | 128億5千万円 |
長期共済保有高 | 231億6千万円 |
主な農畜産物 | カンショ、ダイコン |