県内農業の生産振興に向け施設園芸実証プロジェクト
県内JAと共同で実証試験次々と
徳島県本部は、生産から販売までの一貫したシステムの構築と、新規就農者の育成を目的として、平成29年度から新事業として「施設園芸実証プロジェクト」を開始しました。
県内3カ所の実証ハウスでイチゴ・キュウリ・ミニトマトの栽培を行い、生産技術の確立や新品種の調査に取り組んでいます。
JAかいふと連携しキュウリの実証試験
JAかいふ管内(海陽町)に新設したキュウリハウスでは、「ロックウール栽培」と「養液土耕栽培」を併用した実証施設で栽培方式ごとに管理システムを分け、実証試験に取り組んでいます。
また、JAかいふが取り組む「きゅうりタウン構想」の一環である「海部きゅうり塾」と連携し、研修場所の提供や栽培技術の交換を行い、栽培技術の確立を目指しています。
県との共同研究イチゴ新品種「阿波ほうべに」で実証試験
JA徳島市管内(徳島市多家良町)に新設したイチゴハウスでは、県との共同研究のもと、新品種イチゴ「阿波ほうべに」の栽培に取り組んでいます。実証試験では、「自動養液栽培システム」などを活用して省力化に取り組み、市場性・栽培面の評価を行い、この品種が県を代表する次世代品種となり得るか検討を進めています。
また、出荷・調製作業の簡素化を図るため、収穫品を県本部青果センターでパック詰めし、市場へ流通させる仕組みの構築に取り組んでいます。
JA板野郡と「うぃずOne」導入しミニトマトの実証試験
JA板野郡の子会社(株式会社JA板野郡アグリサポート)の育苗施設(阿波市土成町)で、全農式隔離床養液栽培システム「うぃずOne」と富士通株式会社の食・農クラウド「Akisai(秋彩)」を導入し、低コスト養液栽培システムを活用した生産から販売までの一貫したシステムづくりを目指し、JA板野郡と共同でミニトマトの実証試験を行っています。
今後、こうした実証試験を通じて得た栽培体系や経営指標をもとに、遊休施設などへの導入や活用を進め、県内農業の生産振興につなげていきます。