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広報・調査部

全国の学生と共に日本の農業を盛り上げる 「学生団体いろり」尾崎陽花代表に聞く(下)

農業界の台風の目になる

 「学生団体いろり」(以下いろり)は、「全国の学生と共に日本の農業を盛り上げる」という理念のもと農業に関心を持つ学生たちをつなぐ活動を行っています。コロナ禍を経て2023年に再開した活動を、今後どのように成長・発展させていくのか。いろりの現代表でお茶の水女子大学3年の尾崎陽花(おざきはるか)さんにお話を聞きました(2回掲載)。


学生の間に農業界と広く関わる機会を創出
農業への関わり方 イベントで学ぶ

Q:「学生団体いろり」の活動について教えてください。

A:現在、大学も学部も違う7人のメンバーで活動するいろりは、「食が好き」「農業が好き」という共通点でつながっています。これまで、就農だけではない農業への関わり方を知ることを目的に、農業界の方をゲストにお呼びしてお話を聞いたり、実際に生産者の下で農作業をしながら現場を学んだりするイベントの企画・運営を行ってきました。イベントを通じて運営側であるメンバー自身が学び取ることも大切にしています。

Q:尾崎さんから見て、農業界はどのような印象ですか?

A:食料安全保障や農業従事者の減少・高齢化、環境問題など、課題はたくさんあるかもしれませんが、その分可能性も非常に強く感じています。課題を乗り越えるための新しい取り組みが生まれていくこと、それらに自分が関われることにとてもワクワクしています。

横のつながりから 縦のつながりへ

Q:今後の尾崎さんといろりの展望を教えてください。

A:イベント「農業の10年後を考える。」を毎年継続して開催し、その年ごとに学生たちが本気で考えた「10年後の農業」が、実際にどのように変化していくのかを見届けるとともに、次の世代がまた次の10年後を考える…そんな流れを生み出せたらと思っています。

 また、今後はイベントで行った議論や学生の思い、活動などを広く発信していきたいと考えています。さらに新たな試みとして、農業に興味のある学生が、生産者や企業の方々との共同プロジェクトを通して、食、環境、地域、ビジネスなど多様な切り口で実際に農業界に関われる仕組みを作っていきたいと考えています。

 「農業を盛り上げる」ために学生の時にできることは、自分たち自身が農業を盛り上げられる存在になることだと考えており、そのためには自分が農業のどの部分に興味があって、どのように関わりたいのかを見つける必要があります。

 いろりは、2012年の設立からこれまで、農業に思いを持つ学生の横のつながりを作り続けてきました。それが時を経て縦のつながりとなり、農学を専攻していない人や農学を専攻していても分野外には触れる機会がない人もいろりに加わることで、学生が幅広く農業界に関わる機会を作ることができています。

 私たちは何も持っていない、強いて言うなら勢いだけはあるただの学生ですが、学生だからこそチャレンジさせていただける環境に感謝し、これからも挑戦し続けていく団体でありたいです。

生産者の下で農作業を体験

 

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