資源循環型農業の確立へ 多様な地域資源を有効活用
JA秋田しんせいは、秋田県の南西部に位置する由利本荘市・にかほ市を管内とし、出羽山地や日本海、鳥海山に囲まれた自然豊かな地域です。主力である米を中心に、多様な農畜産物が生産されています。
堆肥散布・保管を事業化 農家の労力・コスト低減
JAでは2023年度から、堆肥散布機や堆肥製品のストック庫などを整備し、農家の労力の軽減や化学肥料、コスト低減につなげるなど、安全安心な農業を推進しています。24年度は、大豆や水稲などの圃場(ほじょう)約20haに牛ふんやもみ殻などの完熟堆肥の散布を予定しています。
また、管内では処理が課題となっている菌床シイタケの廃菌床を堆肥の原料にするため、現在廃菌床を混ぜ込んだ完熟堆肥の成分分析を行っており、検証を進めながら活用を目指しています。
飼料用トウモロコシ耕畜連携で試験栽培
さらに今年度は、耕畜連携による資源の循環と家畜飼料高騰への対策として飼料用トウモロコシの試験栽培を実施しました。
にかほ市の農事組合法人の協力を得て43.8aの試験圃を設置し、6月に10a当たり2kgを播種(はしゅ)。9月には収穫作業を実施し、茎・葉・実を無駄なく使用できる青刈りで収穫しました。
作業委託した収穫機で微細断と高密度梱包(こんぽう)を行い、ラッピングマシンでロールラップした後、デントコーンサイレージとして2カ月ほど発酵させ、飼料分析を行いました。25年度から本格作付けを実施し、不作付地の解消と飼料コスト低減を進める計画です。
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JA版みどりの食料システム戦略を推進
もみ殻・堆肥・廃菌床などの地域資源の有効活用と、それらを活用した飼料用作物生産による不作付地の解消は、「JA秋田しんせい版みどりの食料システム戦略」であり、今後もその確立を目指して取り組みを進めます。
JA秋田しんせい(秋田県)
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概要 |
2024年3月31日現在 |
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正組合員数 | 9057人 |
准組合員数 | 9052人 |
職員数 | 419人 |
販売品取扱高 | 97億9千万円 |
購買品取扱高 | 36億9千万円 |
貯金残高 | 1476億8千万円 |
長期共済保有高 | 3331億円 |
主な農畜産物 |
米、アスパラガス、ミニトマト、菌床シイタケ、繁殖牛、肥育牛、リンドウ、小菊 |