滋賀県全体で目指す、初のオリジナルイチゴ品種「みおしずく」のブランド化に積極的に取り組む
JA滋賀蒲生(がもう)町は、琵琶湖東部の開けた湖東平野の南端に位置しており、鈴鹿山系を源とした肥沃(ひよく)な農地で農業が盛んに行われ、近江米の一大産地となっています。夏は温暖で雨が多く、冬は北風が強いものの降雪は少ない気候です。
5年の歳月かけて開発 大粒で明るい赤色
近年、滋賀県では新規就農者を中心にイチゴの生産が増加しており、イチゴの優良品種が求められていました。また、全国的にも各地でオリジナルイチゴ品種の開発・ブランド化が盛んに行われており、県独自の新品種の需要が高まっていました。
このような状況を受け、滋賀県では2016年から県の農業技術振興センターでオリジナル品種の育成を開始。5年の歳月をかけて約1600の個体から選抜を行い、21年に滋賀県初のオリジナルイチゴ「みおしずく」が誕生しました。清らかなしずくのように整った形と、適度な酸味の中に際立つさわやかな甘味やフローラルな香り、大粒で明るい赤色が特徴です。
「少量土壌培地耕」で負担が少ない高設栽培
主な栽培方法は、滋賀県が開発した「少量土壌培地耕」で、害虫防除にはUVライトを使用することでできる限り農薬を減らした栽培を行っています。さらに、高設栽培により体の負担が少なく労働力も省力化できるため、環境・人にやさしい栽培方法です。
玉だし(イチゴの実が葉に重ならないように枝を配置する作業)をしてイチゴにしっかりと光を当てることで、「みおしずく」の特徴である明るい赤色が際立つように栽培していることもポイントです。
JAでは21年に「蒲生園芸推進協議会」を設立し、管内3軒のイチゴ農家が所属。定期的な出荷研修会や目合わせを行っています。
県内で生産された「みおしずく」は地元スーパーの平和堂を中心にさまざまな量販店で販売しているほか、JA直売所「旬菜館さくら」でも販売しており、認知度向上や地産地消にも取り組んでいます。
JA滋賀蒲生町 (滋賀県)
概要 |
2024年3月31日現在 |
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正組合員数 | 757人 |
準組合員数 | 1832人 |
職員数 | 45人 |
購買品取扱高 | 8億円 |
購買品取扱高 | 5億円 |
貯金残高 | 395億円 |
長期共済保有高 | 635億円 |
主な農畜産物 |
米、麦、大豆 |