10年後を見据えた持続可能な農業 営農部門の機構再編で出向く体制
JAしもつけは栃木県の南部に位置する栃木市(西方町を除く)・壬生町(みぶまち)を管内とし、肥沃(ひよく)な大地と豊かな日照、首都圏に近い立地などの恵まれた環境で、安全・安心な農業が行われています。関東平野の平たん地での米麦などの土地利用型農業のほか、特に冬の日照の長さを生かしたイチゴ、トマト、ニラなどの施設園芸が盛んです。
県内トップクラス産地 トマト一元選果場を設置
栃木県は冬春トマトの出荷量が全国上位で、その中でも同JAは生産量・販売額ともに県内トップクラスを誇ります。生産者49人、25.3haで作付けを行うトマト部会は、市場への安定供給を目的に、2020年9月に3つの生産組織が統合して発足しました。新品種の積極的な導入や技術の高位平準化、厳しい選果選別により、品質・数量ともに安定したトマトを全国に出荷しています。
また、管内に2カ所あった選果場を集約して一元選果場を設置し、今年2月に稼働を開始しました。旧選果場では市場着時間のずれなどによる販売ロスや機器の老朽化が課題となっていましたが、施設集約により、判別精度の高い最新機器の導入による品質安定化と2024年の物流問題を見据えた輸送効率化を実現しました。
「生産部会」・「選果施設」の統合で、さらなる品質の高位平準化と販売力の向上につなげています。
経営資源集中で業務効率化 質の高い組合員サービスへ
JAでは「農業の担い手不足と高齢化」「農地の減少」など、農業を取り巻くさまざまな環境変化に対応するために、将来を見据えた組織体制改革に着手しました。
今年度から営農経済センターの集約など営農経済部門の機構再編を実施し、各事業の業務内容や人員配置の見直しを行いました。分散していた経営資源を集中させることで人員の創出や業務効率化を図り、出向く体制の強化や新事業の創出など、機動的で質の高い組合員サービスを目指します。
新たに設置した「営農振興課」では、今後需要が高まると予想される「新規就農支援」や「後継者担い手への事業承継支援」「農地相談窓口」の機能を備え、10年後を見据えた持続可能な農業の実現に向けた取り組みを進めます。
JAでは、今後も産地の農業生産の維持・拡大を図るとともに、組合員や地域のために継続して機能発揮できるよう、持続可能な経営基盤の確立・強化に向けて引き続き取り組んでいきます。
JAしもつけ(栃木県)
概要 |
2024年2月末現在 |
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正組合員数 | 1万2580人 |
准組合員数 | 8012人 |
職員数 | 348人 |
販売品取扱高 | 106億8千万円 |
購買品取扱高 | 47億5千万円 |
貯金残高 | 1957億9千万円 |
長期共済保有高 | 3943億1千万円 |
主な農畜産物 |
米、麦、イチゴ、トマト、ニラ、ナス、ブドウ |