即戦力となる人材の確保へ 定年帰農者育成プロジェクト
JA愛媛たいき管内は、海抜0mの沿岸部から500mの山間部まで、変化に富んだ地形を生かし、多様な農業が営まれています。その一方で、農業従事者の高齢化や担い手不足による栽培面積・生産量の減少は、年々深刻化しています。そんな中、JA営農部は、即戦力となる人材確保のため、定年を迎え就農を希望する「定年帰農者」を対象とした栽培講習会「シン・たいきプロジェクト」を立ち上げました。
品目は比較的初期投資が少なく、始めやすい露地キュウリを設定。JA管内在住、3a以上の圃場(ほじょう)を所有、JA部会への入会可能などの条件を設けた上で受講生を募集。JAの定年退職者や農業経験がある5人を受け入れました。
講習会で学び個人の畑で実践
講習会は、担い手育成と地域農業の維持拡大を目的に2019年に設立されたJA出資型営農法人(株)Pi–Nokyoたいき(以下ピノキオ)と連携して実施しました。キュウリ栽培の実技は、ピノキオの管理圃場でJAの営農指導員が講師となり、県の協力を得ながら、苗の成長に合わせて作業の基礎を学びました。また、JAへの出荷方法や代金精算についても説明し、経営収支の目途を立てやすい情報提供に努めました。
受講生のほとんどが、講習会と並行して自身の圃場でキュウリ栽培をスタート。学びの即実践と指導員の小まめな巡回が功を奏し、目標収量(3a当たり2.5t)を達成しています。同プロジェクトは次年度も引き続き実施する予定で、他品目での実践も検討しています。
動画のマニュアルで多様な農家を支援
講習会では動画を撮影し、栽培マニュアルとしての編集を進めています。今後の管内農業活性化への活用を目指しています。
JAはこれからも、組織力を生かして多様な農家を支援し、地域農業を支える取り組みを実施します。
JA愛媛たいき(愛媛県)
概要 |
2023年3月31日現在 |
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正組合員数 | 7122人 |
准組合員数 | 5436人 |
職員数 | 407人 |
販売品取扱高 | 42億4千万円 |
購買品取扱高 | 51億6千万円 |
貯金残高 | 1371億8千万円 |
長期共済保有高 | 3162億6千万円 |
主な農畜産物 | キュウリ、トマト、イチゴ、ハクサイ、キウイフルーツ、柿、ブドウ、栗、シイタケ |