スイカからホウレンソウへ 若手がハウス栽培の規模拡大
群馬県のJA太田市は県の南東部に位置し、22年前に三つのJA、12年前にさらに一つのJAが合併し設立されました。主要な農作物としてはホウレンソウやナス、スイカなどが挙げられます。
「藪塚こだま西瓜」全国ブランドに
JA太田市管内の藪塚(やぶづか)地区は1920年ごろスイカ栽培が始まり、特産「藪塚こだま西瓜(すいか)」の生産が盛んな地域です。「藪塚こだま西瓜」は36軒の生産者が栽培を続けており、贈答用としての人気も高く、全国的に知名度が高まっています。生産者が長い歴史の中で培った技術と手間を惜しまず注ぎ込んだスイカは糖度が13〜14%となり、その甘さからリピーターも多くいます。
しかし、生産者の高齢化や後継者不足により、年々「藪塚こだま西瓜」の生産者は減少し、代わりに裏作だったホウレンソウを周年で栽培するようになりました。以降、ホウレンソウや小松菜のハウス栽培を主軸として、藪塚地区の農業は発展してきました。群馬県はホウレンソウの出荷量が全国1位であり、その中でも太田市は上位の出荷量となっています。さらに、トウモロコシやモロヘイヤ、エダマメなどさまざまな農作物を栽培しています。
地域の労働力生かし効率的な生産・出荷
藪塚地区では近年、親世代から農業経営を引き継いだ30、40代の生産者が法人化などを行い、大規模な形態での農業経営が増えています。農業の大規模経営化は、栽培面積の増加に伴う労働力の確保によって地域に雇用を創出したり、家族の高齢化により従来の家族経営による農業経営が困難になった生産者を即戦力として雇用したり、地域に影響を与えています。
大規模経営化した生産者は、親世代で培ってきた栽培ノウハウを受け継ぎ、さらに経営規模を拡大することで効率的な生産・出荷が可能となり、ハウスの棟数は多い生産者で約200棟に及びます。JAでも座談会への参加の呼びかけや正組合員全戸訪問での意見聴き取りの強化を実践して生産者を支えることで、藪塚地区全体の農業の活性化を目指しています。
JA太田市(群馬県)
概要 |
2023年2月28日現在 |
---|---|
正組合員数 | 3322人 |
准組合員数 | 9453人 |
職員数 | 226人 |
販売品取扱高 | 52億4千万円 |
購買品取扱高 | 17億4千万円 |
貯金残高 | 981億1千万円 |
長期共済保有高 | 2189億1千万円 |
主な農畜産物 | 「藪塚こだま西瓜」、 ホウレンソウ、小松菜、ネギ、ナス |