トップランナーインタビュー 畑のそばのブランディングカンパニー ＴＵＭＭＹ株式会社 代表取締役／ＣＥＯ 阿部成美さん
畑にすでにある魅力を伝え、作り手の愛ごといただく「愛食」文化を広めたい
「愛食文化を創造する」をテーマに、畑に特化したブランディングを展開するTUMMY（株）の阿部成美さんに、事業内容や新しく始めたフードカタログギフト「aiyueyo（あいゆえよ） gift」についてお話を聞きました。
――起業のきっかけは?
大学は農学部に進み、食の仕組みについて学びました。学生の視点で規格外の野菜にかわいさを感じ、そのことを伝える活動をしていたら農業に接点のなかった学生たちにも広がっていくのをみて、「畑はもう十分に魅力をもっているから、それを伝えていける人になろう」という夢を持ちました。それが起業につながっています。
――事業内容について教えてください。
2019年1月にTUMMY（株）を設立しました。主な事業内容は、すでに畑にあるいいものを発掘していくブランディング事業、それを発信していくメディア事業、そして今年9月にスタートしたカタログギフト事業の三つで、「フードカタログギフト aiyueyo」というブランドで展開しています。今の、農畜産物が広くみんなに行き渡る状態というのは本当に素晴らしいことだと思っていますが、その裏側で農家さんが例えば自分自身をかけた農畜産物への愛が伝えきれなくてやりがいが低下していたりとか、所得面で農産物がなかなか高く売れないことで苦戦していたりとか、食べ手側も食事が栄養摂取のために偏ってしまい食べる喜びが少なくなっているということも気になっていて、そういった課題に向き合っています。
――新たな取り組みを始められましたね。
私たちが感じている課題の解決策として、食への愛を感じられるフードシステムをつくっていけないかと考え、その一環としてフードカタログギフト「aiyueyo gift」を立ち上げました。「愛ごとめしあがれ」をキャッチコピーに、作り手が愛をこめて育てた農畜産物を通じて、自分の言葉では伝えにくい感謝の気持ちを大切な人に届けていくツールとして使ってもらえればと思っています。カタログではただ商品を紹介するのではなく、生産者の思いを背景ごと紹介することにこだわっていて、読み物としても楽しめます。また、商品は洗うだけ、焼くだけ、温めるだけで、手間なく食べられることもポイントです。
――今後の目標は?
今回のカタログは今までブランディングをお手伝いしてきた14軒の生産者さんと作りました。まずはこの一冊をしっかりお届けするとともに、今後は紹介していきたい生産者さんも増やしていけたらと考えています。作り手の愛ごといただく食体験「愛食」文化を、さらに広めていきたいと思っています。
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