ブランドヒストリー(10)
日本三大地鶏「比内地鶏」に総ぐるみ 秋田県北の生産者・JAグループ・行政が育てる
秋田県で古くから飼育され、江戸時代には殿様への年貢として納められた比内鶏と、そこから現代の技術をもとに生まれた「比内地鶏」。長い伝統と比類なき食味を、地元JAグループが総力を挙げて守り育てています。
平安時代から秋田県北部地域は「ひない」と呼ばれ、ここで比内鶏は飼われてきました。比内鶏は1942年に国の天然記念物に指定され、県がその血統を維持しています。
比内鶏は肉がおいしい一方で体質が弱かったため、秋田県畜産試験場が比内鶏を父親、ロードアイランドレッド種の鶏を母親としてかけあわせて「比内地鶏」を開発しました。1978年に比内地鶏の肉が市場に出回り半世紀近くがたちます。比内地鶏は秋田名物きりたんぽ鍋の大事な具材であり、名古屋コーチン、薩摩地鶏とともに日本三大地鶏の一つとして知られています。
認証制度でブランド守る
秋田県比内地鶏ブランド認証制度は、県の管理のもと、生産者と加工業者が認証制度に登録し、協力して高品質の肉を生産する仕組みです。国が定める地鶏の基準よりも飼育日数が長く、飼育密度が低く、放し飼いを行うことが特長です。広い放牧地で草や土を食べ、運動することで味わい深く締まった肉質となります。
秋田の伝統食を次世代へ
秋田県内で生産される比内地鶏の3分の2は県外、特に首都圏の高級料理店で消費されてきました。しかしコロナ禍で地鶏肉の需要が激減しました。現在は行政の販売支援策を頼りつつ、農家収入に直結する生産羽数は減らさず運営しています。今後は関係先と協力し、外食需要の回復に努め、家庭消費や通信販売の開拓に取り組み、在庫を解消し、秋田の伝統食を次世代につなぐことが使命となります。
比内地鶏の生産者をはじめ、JA秋田たかのすほか県内の各JA、JA全農あきた、県や北秋田市、地元の関係先と日々支えあい奮闘しています。比内地鶏を永年愛する県内の消費者がお求めやすい商品も作りたいですね。
JA全農北日本くみあい飼料(株)
秋田比内地鶏加工センター
髙村丈治センター長
JAタウンで購入できます
https://www.ja-town.com/shop/c/c1B0310/
