HACCP取得で衛生強化 福部らっきょう加工センター
JA鳥取いなばは、鳥取県東部に位置し、鳥取市、岩美町、八頭町、若桜町、智頭町の一市四町の管内に、約3万3千人の組合員がいます。管内は、標高のある山間地から沿岸の砂丘地まで広がり、豊富な水量の千代川水系が鳥取平野の田畑を潤す、緑が多い地域です。
安全・安心を届ける
「福部らっきょう加工センター」は、2018年3月に新築されました。鉄骨造平屋建て、延床面積999平方メートル。施設内にある地下タンクには福部町で収穫されたラッキョウが塩蔵保存されており、注文に応じて、加工ラッキョウを通年製造出荷しています。塩蔵施設から取り出されたラッキョウは、塩抜きなどの工程を経て商品化されます。
危害分析重要管理点(HACCP)で衛生強化
今年3月、同センターは、管内の食品加工施設で初となる鳥取県HACCP適合施設に認定されました。HACCPとは、食品を扱う過程において、これまでの衛生管理を基本としつつ、食品の安全性を確保するために重要な工程を管理し、その記録を残し、製品の安全性を確保する衛生管理の手法です。機械の点検、清掃、保守など各工程のチェック項目・マニュアルを増やしたことにより、「これまで以上に衛生管理を徹底できるようになった」と岡垣雅信センター長は話します。
信頼の歴史を紡ぐ
2016年には「鳥取砂丘らっきょう」「ふくべ砂丘らっきょう」の名称で農林水産省の地理的表示(GI)保護制度に登録され、その年の販売額は過去最高の10億7350万円を記録しました。令和の時代に突入した現在は、昨年から続くコロナ禍により鳥取砂丘の観光客が減少。土産用ラッキョウの販売額にも影響がありました。ここ2年は全国的に豊作が続き、加工ラッキョウの引き合いが弱い傾向にあります。それでも、付き合いが長い県外取引先、全国の生協などから変わらず受注をいただいています。昨年は土産物で減額があったものの、全体を通じて前年に近い売り上げとなりました。
ラッキョウ栽培の歴史は、これまで多くの生産者、JA・市場の関係者、加工センターで働く人たちが毎年良品を出荷し、長い年月をかけて積み重ねてきた信頼の歴史でもあります。HACCP取得により、100社以上ある取引先からの信頼も一層高まると期待しています。伝統ある福部ブランドを守りながら、安全・安心の商品を出荷していきます。管内の施設では今後もHACCP取得を目指し、地域の皆さまから愛される鳥取ブランドの確立を図ります。
概要 | 令和3年1月31日現在 |
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正組合員数 | 1万5253人 |
准組合員数 | 1万7261人 |
職員数 | 381人 |
販売品取扱高 | 65億6千万円 |
購買品取扱高 | 77億5千万円 |
貯金残高 | 1725億7千万円 |
長期共済保有高 | 6195億5千万円 |
主な農産物 | 水稲、ラッキョウ、白ネギ、梨、柿、因幡和牛 |