全農グループブランドヒストリー(4)
「山形県産の果物の魅力を伝えたい」 努力と技術の結晶はまさに「山形代表」
山形食品(株)オリジナルブランド「サン&リブ」の「山形代表」シリーズは、果実本来の味を楽しめる県産果汁100%ジュースです。果物と真剣に向き合い、山形食品が創業から抱いている「生産者の力になりたい、県産果実の評価を向上させたい」という強い思いから誕生しました。
高い技術で理想を実現 果物と向き合い試行錯誤
西洋梨の加工場として発足した山形食品には創業89年の歴史があり、果物の集荷から搾汁、製造まで、全ての工程を一貫して自社工場で行っています。
「山形代表」は約1年の開発期間を経て、2010年に発売されました。原料には、傷や色むらなどの理由で出荷できなかった県産果実たちを使用しています。創業以来、地域の農産物を無駄なく使い、生産者を支援する商品作りが行われています。
酸素を遮断し搾汁する技術を用いており、酸化防止剤(ビタミンC)は一切使用していません。開発当時、酸化防止剤無添加の果汁製品は市場にほとんどなく、生産技術・工程、品質管理体制の確立に全社が一丸となって取り組みました。4台の搾汁機や裏ごし機などを使い分け、「ラ・フランス」や柿など8種類の果汁それぞれの「とろみ」や「のどごし」などの特長を引き出しています。無添加だからこそ、その年の果物の出来によって毎年違う味わいを楽しめるため、リピーターの多い商品になりました。
「おいしいジュース」で生産者と産地を支えたい
パッケージはシンプルでありながら、果実の香りや産地の風景、生産者の真心と情熱が伝わるようなデザインを目指しました。さらに、ギフトセットの販売とシリーズ化を企画し、発売当時は対応していなかった通信販売(B to C)方法を確立。県外の方へのプレゼントにもぴったりな、山形をアピールできる商品になりました。
「日本ギフト大賞2016」山形賞などの他、さまざまな賞に輝き、その品質とこだわりは高く評価されています。台湾やアメリカなど海外6地域にも輸出しており、特に香港ではイオン13店舗で通年販売されています。
「山形代表」ファンを世界中に増やしていくため、今後はSNSやイベントを通じて、さらにお客さまとの交流を図っていきます。全ては、県産果実をPRし、生産者を支えたいという思いのもと、「おいしいジュース」を作り続けます。
山形食品(株)
営業部次長 博士(工学)MOT
藤田直樹 氏
今まであるようで無かった果汁製品を製品化できたことは大変有意義だったと考えます。農家戸数・就業人口の減少などにより、原料果実の確保は年々難しくなっているため、JAグループとの連携を強化し、集荷拡大とコスト低減を推し進めています。「山形代表」をきっかけに生産者が増えてくれるとうれしいです。今後は、全国の果汁を使った「日本代表」シリーズができたら面白いですね。