生産者とともに土を育み 産地を育む取り組みへ
埼玉県で農業者向け青空講習会を開催
全農は、平成28年11月に農業者3団体(日本農業法人協会、全国農協青年組織協議会、全国農業青年クラブ連絡協議会)とともに「生産資材費低減に向けた資材事業研究会」を立ち上げました。研究会での議論を深める中で、農業者団体からは、全農の専門性を生かした最新情報の伝達や、人材育成機能を期待する声が多く出されています。今後の農業者支援のあり方を検討するため、11月22日に全青協の飯野芳彦会長の圃場(ほじょう)(埼玉県川越市)で、埼玉県農協青年部協議会盟友(JAいるま野、JA南彩管内の生産者)7人を対象に農業生産の基礎となる「土壌」をテーマに講習会を開きました。
土壌断面から作土を守り腐植を守る大切さを共有
1㍍も掘られた土壌断面から、上層は柔らかく腐植が充実していることが観察されました。関東営農資材事業所の金子技術主管は、このような腐植層を守り、団粒構造を維持するために、生産者一人一人が作土の重要性を考えながら、継続的な施肥改善に取り組むことが産地の維持発展に不可欠であると訴えました。
土壌診断を施肥改善に生かす 「土壌診断 PDCAサイクル※」実践へ
参加した農業者の土壌分析からは、いくつかの圃場でpH、リン酸、硝酸態窒素が高く、塩基バランスが乱れていることが分かりました。生産者からは「連作圃場が多いので緑肥を入れて改善したい」「カルシウムが多いと指摘があったため、今後は鶏ふんの施用に気を付けたい」「緑肥を作付けして地力を高める工夫をしたい」などの数多くの気付きにつながりました。
また、「もっとこのような講習会や土の勉強に参加して、活発な議論ができようになりたい」など決意が述べられ、今後継続的な取り組みとすることを決意して閉会しました。
全農は、土壌診断を活用した施肥改善を生産者とともに実践することにより、生産者の増収、良品質生産を支援し、手取り最大化の実現を目指します。
※PDCAサイクル:仕事を行う管理の基本的な考え方で、何か行動する際、4ステップ=①計画(Plan)②実行(Do) ③確認・評価(Check)④改善(Action)=に分けて進め、これを繰り返す