マーケットインを起点とした共同の研究開発や実用化に向け農研機構と包括連携協定を締結
全農と国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は、3月に包括連携協定を締結し、マーケットインを起点とした共同の研究開発や実用化などのための連携に向けた取り組みを始めました。
農研機構は農業・食品分野の科学技術イノベーション創出に取り組む農林水産省所管の国立研究開発法人で、国内の農業と食品産業の発展のため、基礎から応用まで幅広い分野で研究開発を行う国内最大級の研究機関です。
これまで全農と農研機構は、平成19年に締結した連携協定に基づき、農研機構の開発成果の普及を中心とした連携を推進してきましたが、今回、農畜産業でのイノベーション創出を加速するため、目的を現場ニーズの視点で「マーケットインを起点とした研究開発、研究成果の事業化と普及、わが国の食農ビジネスの競争力強化」に拡大して、連携協定を締結しました。
山﨑周二理事長と桑田義文専務理事が4月16日、農研機構の久間和生理事長と松田敦郎理事を訪問し、包括連携協定に基づく連携テーマについて、意見交換しました。久間理事長からは、①食料自給率向上と食料安全保障、②農産物・食品の産業競争力強化と輸出拡大、③生産性向上と環境保全の両立に貢献することを目標として、農研機構全体、ひいてはわが国の研究開発力向上を図ることが紹介されました。山﨑理事長からは、全農の生産現場での取り組みや他社連携を含む消費・流通および輸出の取り組みなどを紹介し、今回の連携の方向性が相互の組織目標に合致することを確認しました。
今後の共同研究テーマとして、農林水産省の「みどりの食料システム戦略」や内閣府主導の「ムーンショット型研究開発事業」なども視野に入れて検討し、全農の研究所(営農・技術センター、飼料畜産中央研究所、家畜衛生研究所、ET研究所)を中心に、マーケットインの視点から営業開発部、輸出対策部なども参画したオール全農体制で、農研機構との連携を進めます。