JA組織、行政と連携し担い手育成 修了生の20人が新規就農
JA福山市は、冷涼な中国山地沿いから温暖な瀬戸内海沿岸の島しょ部までをエリアとし、福山市、府中市(上下町を除く)、神石高原町で構成される広域JAです。山と海を擁する自然豊かな気候条件を生かして、クワイやブドウ、トマトなどの生産が盛んです。
JA独自に担い手 育成協議会を設立
同JAでは、約10年前から生産者の高齢化に伴う、生産基盤の弱体化に歯止めをかけるため、担い手の育成強化に取り組んでいます。
新規就農者の募集は、同JAが担い手育成協議会などを設立し、生産組織や県、市町、JA系統組織と連携を図っています。就農相談者にはまず、会社員との違い、自身が経営者になること、天候の影響を受けやすいことなどを説明し、就農のイメージをつかんでもらいます。その後、協議会で面接を行い、就農への意欲と決意を見極めるとともに、自覚を高めてもらいます。
研修では、現地指導と座学研修を行います。現地指導は、生産組織の長や大規模生産者、座学研修はJAや行政が担っています。同JAでは、次世代人材投資事業の研修機関登録を行い、総合的な研修体制を構築するとともに、各生産組織の研修生による合同研修会を開催しています。共通する技術や経営研修に加え、情報交換を行うことで、切磋琢磨(せっさたくま)できる環境を提供しています。
新規就農者の経営安定へ3年間、資材・施設に助成
また、就農地については、可能な限り協議会内で農地情報を共有し、高齢化などで離農される農地や施設を継承しています。
早期の安定経営を支援するためJA独自の「農業振興支援事業」を創設し就農から3年間、農機具や肥料・農薬・資材の他、施設へ助成を行っています。また、就農後はTAC活動として広島県本部と連携し、課題を聞き取り改善に向け、営農計画へ反映させています。
今年度は、管内の特産である、クワイ、イチジク、ホウレンソウ、ブドウ、柿、アスパラガス、トマトで新規就農者研修を実施し、16人が参加しました。過去3年間では研修を修了した20人が産地の担い手として活躍するなど、着実な営農振興と地域農業の活性化につながっています。
概要 | 令和2年3月31日現在 |
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正組合員数 | 2万7558人 |
准組合員数 | 5万6879人 |
職員数 | 1010人 |
販売品取扱高 | 25億1千万円 |
購買品取扱高 | 26億9千万円 |
貯金残高 | 8064億7千万円 |
長期共済保有高 | 1兆4312億5千万円 |
主な農産物 | クワイ、ブドウ、トマト |